8月3日
瑞鳳殿にて政宗歴史塾なるものが開催されました。
こういった会はたしか3~4回目で一般者を対象にしたのは今回が初めてだとか。
(これまでは子供たちを対象に歴史に親しんでほしいという趣旨だったようだ)
そして今回は定員30名で抽選の結果ラッキーなことに選考され参加してきました。
10:00から始まり最初の一時間は瑞鳳殿に併設されている旅館 天龍閣で講義を聴き、
残りの一時間は涅槃門から瑞鳳殿まで移動しながらいろいろと説明を聴きました。
講義の題名は
「伊達政宗 最期の日々を追う」と題し、亡くなるまでの約5ヶ月間(寛永13年1月~5月)の行動や言動について紹介しそこから政宗はどんな人物だったのかというのを知りました。
自己の健康管理には人一倍気を遣っていた政宗だったがいよいよもって己の死期が近づいたことを悟ると周囲の家臣をいたわりながらも息子忠宗の代になっても引き続き盛り立ててほしいと頼んでいた。
また徳川家に忠誠をたてる政宗は参勤交代の時期が近付いているが自分の体力が持つうちにと時期を早めて仙台を出発し、死ぬ前に徳川将軍(家光)に別れの挨拶をしたいと望んだ。
参勤交代出発の前にホトトギスの鳴き声を聴こうと経ヶ峯へ来た時に
「自分が亡くなった後はこのあたりにいるのがふさわしい場所である」
と自ら墓所とすべき場所を杖でさした、この場所が今の瑞鳳殿の場所である。
江戸に着き家光に挨拶した後、屋敷で療養していた。
家光が医師を政宗のところに遣わせたり、手厚い対処をしていることもあり多くの諸大名たちが屋敷に見舞いに来た。
病床に伏していた政宗は見舞いに来た客人に対しいちいち着物に着替え身だしなみもきちんとして出迎えた。心配した家光にも無理をするなと言われたが政宗は
「仙台藩主として身分をきちんとまっとうして身分がきちんと続くようにと思っています。将軍様をないがしろにするわけにはいきません。…」と答え、
自分が死んでも仙台藩の地位が変わらないようにと政宗の心遣いが感じられる。
江戸にいる妻の愛姫にも会おうとしなかった。愛姫は弱った政宗のそばにいたいと願ったが政宗は「あなたは仙台藩の主君の母君だから、軽々しくふるまうのは品格がある程度の人までだ。」と武士としての品格と次の藩主を見据えた考えを示してる。
政宗の最後 5月24日
根っからの戦国武将だった政宗は戦で死ぬのが本望、このように床で死ぬのは無念と悔やんでいた。
未明に目をさまし、いよいよ死を悟った政宗は体を起こしてもらい髪を整えてもらい、安座して西の方角に合掌しながら死を待ち、そのまま一時気を失い、そしてハッと目を見開いてそのまま息を引き取ったという。
最期まで武将らしい死に方をした政宗だった。
よく伊達政宗は派手好きだったといいますが、政宗は武士の格式を重んじ徳川家に忠誠を示すことで仙台藩の安泰を願い、家臣たちのこと思うとても優しい方だったとうかがえます。
どうして戦に派手な衣装を着たかということに関してはあとで調べたいと思います。
講義の後は外へ出て瑞鳳殿内をあるきながら説明を聴きました。
もともとここは根岸村といい政宗の死後瑞鳳殿を建ててから城下に入ったそうです。
ここ経ヶ峰は名前より僧が修行する聖なる山だった。
ここの階段は伊達六二万石になぞらえて62段あるそうです。
涅槃門は黒漆が塗ってありには菊の紋章が施されているがこれは天皇の菊の御紋とは違う、
秀吉より拝領したものだという。
他にも伊達家の家紋はおなじみの竹に雀、三引両、九曜紋などいくつもある。
そして門の上には伝説の生き物、麒麟が彫刻されている。これは仙台藩の安泰を祈願したもの。
(ブレてしまいましたが)
ところでいつもこの門は閉じられ、入り口は脇から入るのがなんでか不思議でしたが、
涅槃門をくぐるということは「 煩悩を去って悟りの境界へ入る」という意味なのでわれわれはわきの入り口をくぐって入るのが正しいということである。
そして門をくぐると急な階段がありその両脇には石灯篭がいくつかある。
この石灯篭はのちに家臣より献上されたものであるがその中には片倉小十郎や茂庭周防、奥山大学などがいた。
瑞鳳殿に施されている動物の彫刻などはすべて阿吽の対になっている。
例えば…
龍
鳥
獅子
鳳凰
そして有名な竹に雀も実は(逆)阿吽である。
そして瑞鳳殿の両脇には塔がいくつか建っています。
当時の風習として主が無くなると側近の家臣があの世までお仕えしたいと殉死することがありました。
これは宝篋印塔(ほうきょういんとう)と言って、ここには大きいものが15、小さいものが5ありその人たちを奉ったもので小さいものは家臣のさらに家臣、つまりそのものも自分の主とともに殉死したということ。
これは2代目藩主忠宗の時は16名で、綱宗の時には武家諸法度で殉死禁止令が出ていたのでありませんが、断髪でこれに代わる行為としたようです。
一折説明を聴き終え、最後に伊達18代目の泰宗氏よりお話を聞くことができました。
こんな間近で見れるなんてうれしい!
今回初めて参加しましたがとても勉強になり、また興味が湧いてきました。
とても面白かったです。機会があればまた参加したい。
政宗歴史塾
2012/8/4
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